出国で1,000円徴収・国際観光旅客税(出国税)とは?

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目 次

国際観光旅客税導入の経緯

国際観光旅客税の概要
..2.1 納税義務者
……2.1.1 
非課税対象者
..2.2 
徴収および納付方法
..2.3 税 額
..2.4 適用時期

国際観光旅客税の見込み額は?

4 国際観光旅客税導入のまとめ

アイキャッチ画像は、ANAから引用しています。


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正式名称は「国際観光旅客税」(通称:出国税)と呼ばれています。

日本から出国する人(日本人、外国人)は、誰でも1,000円の税金を徴収する制度です。

昨今、急成長するアジアをはじめとした世界の観光需要を国内に取り込み「観光立国」の実現を図るため「国際観光旅客税」が創設されました(2018年4月可決)。

税収は2020年、東京オリンピック・パラリンピックの開催等を見据え、訪日外国人等の観光インフラの整備・拡充・強化に充てられます。

2019年1月7日(月)から導入された「国際観光旅客税」(通称:出国税)の概要についてまとめました。


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国際観光旅客税導入の経緯

政府は少子高齢化が進む中、拡大する世界の観光需要を国内に取込み、国内成長戦略の柱・地方創成の切り札とすべく2017年3月に「観光立国推進基本計画」を閣議決定しました。

安倍政権がスイス・フランス・イタリア等と同様に「観光立国」を目指し、訪日外国人旅行客を誘致することで国内の経済活性化の柱の一つとしています。

世界が訪れたくなる「観光先進国・日本」への飛躍を図るとしています。


当面の計画期間は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を鑑み2017年度~2020年度とし、2020年までに達成すべき目標を以下の様に掲げています。

国内観光の拡大・充実

項 目 2020年 2017年
国内旅行消費額 21.0兆円 20.4兆円

国際観光の拡大・充実
訪日外国人の・・・・

項 目 2020年 2017年
旅行者数 4,000万人 1,974万人
旅行消費額 8兆円 3.5兆円
リピーター数 2,400万人 1,159万人
地方における
延べ宿泊者数

7,000万人

2,514万人
アジア(※) 30%超 26.1%

※ アジア主要国における国際会議の開催件数に占める割合

国際相互交流の推進

項 目 2020年 2017年
日本人の
海外旅行者数
万人
2,000
万人
1,621

上記に掲げた野心的な目標の達成を目論むためのインフラ整備等の原資として「国際観光旅客税」が新設されました。

国際観光旅客税の概要

・1
納税義務者

航空機、船舶により出国する観光旅客その他

・1・1
非課税対象者

  • 2歳未満の乳児
  • 乗継旅客
    (入国後24時間以内に出国する観光客等)
  • 船舶、航空機の乗員
  • 公用船、公用機(政府専用機)により出国する方
  • 海外を航行中に、天候その他の理由で日本国に緊急着陸した方
  • 日本国から出国したが、天候などの理由に日本に帰った方
  • 強制退去者等 他
  • 外交官 等

・2
徴収および納付方法

国際旅客運送事業者による特別徴収①
民間の船舶または航空会社(国際旅客運送事業者)が日本から出国する旅客(国際観光旅客)等のチケット代金に上乗せする等の方法で徴収し、国に納付します。

JAL :
日本における国際観光旅客税の新設について
ANA:
日本における国際観光旅客税の新設について

国際観光旅客等による納付(プライベートジェット等による出国の場合)
上記①以外の旅客等は国際船舶等に乗船等する時までに、国に納付します。


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・3
税 額

  • 出国一回につき 1,000 円

海外の出国税( 参 考 )

国 名 通 貨 円換算(円)
フランス 8ユーロ 約1,000
アメリカ 14ドル 約1,500
イギリス 13ポンド~ 約2,000~
オースト
ラリア

60AUドル

約5,000
香 港 120HKドル 約1,800
中 国 90元 約1,500
韓 国 10,000ウォン 約1,000

・4
適用時期

2019年1月7日以後の出国に適用。

2020年の東京オリンピック開催前にできるだけ財源を確保する為、航空会社等の年末年始の繁忙期を避ける為に2019年1月7日からの施行とされました。


国際観光旅客税
の見込み額は?

訪日外国人数・出国日本人数の推移
上記は「観光庁」統計情報・白書に記載されている、訪日外国人旅行者数・出国日本人数の推移(2003年~2017年)になります。

訪日外国人は、2012年頃までは800万人前後で推移していましたが、2013年から増加傾向となり、2017年度では2,800万人を突破する訪日となっています。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博などの開催を踏まえれば、訪日外国人の増加は当面続くと考えられます。

税収換算(2017年度)
訪日外国人旅行者数 = 2,689万人
日本人海外旅行者数 = 1,789万人
合わせて 4,478万人となりますから税収の見込み額は、447.8億円です。

政府は当面、500億程度の税収を見込んでいます。

2018年度の「観光庁」の予算が321億円ですから、大きな財源ですね!


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国際観光旅客税導入のまとめ

「国際観光旅客税」の使途は、「国際観光旅客税(仮称)の使途に関する基本方針等について」(2017年12月22日)に基づき以下3分野とされ、以下の項目等に予算が配分されます。

外国人がストレスを感じずに快適に旅行できる環境の整備
①空港の自動チェックイン機
②顔認証ゲートの設置
③出入国手続きの時間短縮
携帯品の事前申告により税関検査を省く
「電子申告ゲート」の新設

日本の多様な魅力を伝える情報の発信
①多言語表記
②無料の公衆無線LAN「Wi-Fi」の整備
③キャッシュレス対応
④トイレの様式化

地域文化、
自然等を活用した観光資源の整備等

①観光資源の発掘
②国立公園、重要文化財の多言語解説
③皇居・三の丸尚蔵館の施設整備

初年度2019年は500億円の税収を見込んでおり、予算の執行官庁は以下の6省庁になります。
( 法務省、財務省、環境庁、観光庁、文化庁、宮内庁 )

日本の魅力に触れた訪日外国人の方々にリピーターになって頂きたいですし、地域の活性化にも繋がりますから、ぜひ期待したいですね!

ただ、何にでも理由が付きそうな税金ですから、野党の方々には、使途をしっかりチェックして頂きたいです。

以 上
「出国で1,000円徴収・国際観光旅客税
(出国税)とは?」でした。

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