脳梗塞の初期症状とひとり暮らしで発症した場合の対処法!
目 次
1 脳梗塞は3つのタイプに分類されます
….・ラクナ梗塞
….・アテローム血栓性脳梗塞
….・心原性脳血栓
2 脳梗塞の初期症状
3 ACT FAST
..( アクト・ファスト )とは?
..3.1 ACT FASTでチェック
……・Face(顔の麻痺)
……・Arm(腕の麻痺)
……・Speech(言葉の障害)
……・Time(発症時間の確認)
4 ひとり暮らしで脳梗塞
….を発症した場合の対処法
..4.1 固定電話・携帯電話からの通報
..4.2 FAXからの救急要請
5 ひとり暮らしで発症した場合のまとめ
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脳梗塞(のうこうそく)とは脳の血管が詰まることによって、詰まった先の脳細胞に血液(酸素・栄養)が届けらないため、脳細胞の特定部位が壊死し障害を受ける病気です。
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脳梗塞が発症した部位により、手・足、言語、記憶・思考能力などに後遺症が残り、思うように体や脳が動かなくなるのです。
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日常生活に支障をきたすことも少なくありませんが、迅速な救急対応と事後のリハビリにより、元の生活ができるまで回復する方もいます。
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高血圧、糖尿病、高脂血症などをしっかり管理し、禁煙、体重管理、運動などにより生活習慣を改善し脳梗塞が発症しないようにすることが一番大切ですね。
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脳梗塞の初期症状とひとり暮らしで発症した場合の対処法について記載します。
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脳梗塞は3つのタイプ
に分類されます
- ラクナ梗塞
脳の細い血管(動脈)が詰まって起こる脳梗塞。
日本人に最も多いタイプの脳梗塞とされ、主に高血圧が要因となります。
血管の末端で生じた場合、脳梗塞の症状がでないケースもありますから、「隠れ脳梗塞」とも言われています。
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症状はゆっくり進行し、認知症(脳血管性認知症)に繋がることもあります。
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・ - アテローム血栓性脳梗塞
脳の太い血管(頸動脈・動脈)の動脈硬化が原因で詰まって起こる脳梗塞。
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動脈の硬化(アテローム硬化)で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まり、血流が滞り(とどこおり)ます。
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また、血栓がはがれて血流に乗り、他の血管をふさぐこともあります。
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高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が要因です。
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・ - 心原性脳血栓
「心房細動」により、心房(心臓)でできた大きな血栓が、血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を詰まらせるものです。
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脳の太い血管が詰まって起きる脳梗塞のため、梗塞範囲が広く重い後遺症が残るケースが多いとされています。
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心房細動とは?
心臓が速く不規則に拍動する不整脈の1つで、心臓が小刻みに震えるため、心房で血栓ができやすくなり脳梗塞のリスクが高くなります。
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脳梗塞の初期症状
脳梗塞はくも膜下出血とは異なり、バットで後ろから殴られた様な突然の激しい頭痛はありません。
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脳梗塞が生じた脳の部位と程度に応じた症状が突然起こります。
- 急に手足の力が抜ける
- ドアノブが触れない
- 片足を引きずる
- つまづきやすい
- 言葉が出ない
- ろれつがまわらない
- 話が理解できない
- まっすぐに歩けない
- 手足の片方がしびれる
- 急にめまいがする
- 片方の目にカーテンがかかった様に見える
- 2重に見える
症状が1つだけ出現することもありますし、複数の症状が重複することもあります。
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上記の様な症状を感じたら、ACT FAST(アクト・ファスト)でチェックします。
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ACT FAST
(アクト・ファスト)とは?
突然の症状に対し「少し様子をみよう」と思う方が大多数と思いますが、大間違いです!
脳梗塞は時間との勝負です!
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脳梗塞発症の数分後から脳細胞の壊死が始まりますから、治療が早ければ早い程、ダメージは少なくなります。
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「国立循環器病研究センター」では、脳梗塞を疑う人に3つのチェックを勧めており、うち1つでも該当すれば救急車(119番)を呼ぶ啓発活動を行っています。
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素早い対応を行うために必要な3つのチェック方法を「ACT FAST」と呼んでいます。
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脳梗塞発症から4.5時間以内に血栓溶解療法(t-PA治療)が施すことができれば、約40%の方がほぼ後遺症を残さないレベルまで、回復の可能性があります。
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ACT FAST でチェック
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- Face(顔の麻痺)
顔の片側が下がるゆがみがある
よだれがでる
Q:上手く笑顔が作れますか?
・ - Arm(腕の麻痺)
片腕に力が入らない
箸がもてない
Q:両腕を上げたままキープできますか?
・ - Speech(言葉の障害)
ことばが出てこない、呂律(ろれつ)が廻らない
言葉になっていない
意味の解らないことを話す
Q:短い文章がいつも通り話せますか?
・ - Time(発症時間の確認)
救急車を呼ぶ(119番)
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上記の項目の内、1つでも症状が出ていれば脳梗塞の可能性大!
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とりあえず様子を見ようは絶対ダメ!
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発症時刻をチェックして119番
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救急車が来るまで脳への血流を滞らせない様、横になって待機します。
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管理人の父親も庭仕事(夏)の最中に異変に気付きながら、昼寝をすれば治るだろうと思って寝てしまったことで後遺症が酷くなりましたから、とりあえず様子を見るは絶対厳禁です。
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ひとり暮らしで脳梗塞
を発症した場合の対処法
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固定電話・携帯電話からの通報・
脳梗塞の初期症状には「言葉が出ない」「ろれつがまわらない」などの言語障害がありますが、119番に通報して「あー」「うー」の声を出したり受話器を叩きます。
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東京消防庁によると、通報者が何かしらの理由で話せないと判断した時は、消防官の質問に対して受話器をたたくなどの対応を促し、住所や状況を確認する方法を取ります。
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固定電話の場合は、発信者情報がディスプレイに表示されますから住所を特定できます。
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携帯電話の場合においても、GPS機能を利用して位置情報が表示されますが、電波の状態によって誤差が生じますし、位置確認や契約者情報の照会に固定電話と異なり時間を要します。
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このため、固定と携帯の2つがある場合は固定電話から通報します。
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FAXからの救急要請
手が動かせるのであれば、FAXで救急車を呼ぶこともできます。
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通報時の記載事項
・①救急
・②住所・建物名称
・③氏名
・④年齢
・⑤体の症状を記載
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救急要請の場合は、東京消防庁から折り返し確認のFAXが送付されます。
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なお、FAX用紙の裏表を取り間違えないことが大切です。
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ひとり暮らしで発症した場合
のまとめ
健康診断などで「血圧が高い」「血糖値が高い」「血液中のコレステロールや中性脂肪が高い」と診断されている方が、脳梗塞の初期症状を感じたならば、ACT FAST(アクト・ファスト)でセルフチェックをし、ひとつでも症状が該当している様なら脳梗塞の可能性は大です。
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脳梗塞は時間との勝負です、「少し様子をみよう」は絶対にダメ!
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発症時刻をチェックして直ちに119番に救急要請します!
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ひとり暮らしで「言葉が出ない」「ろれつがまわらない」などの言語障害が生じた方でも、緊急事態であることが消防官に伝われば救急車は必ず来てくれます。
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「一過性脳虚血発作(TIA)」とは、脳の血管に血栓が一時的に詰まるため、手足のしびれ、運動障害、言語障害などの症状が出現しますが、何かしらのきっかけで再び血流が再開しますと症状は自然に回復するため、医師の診察を受けずに放置される方も多い様です。
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一過性脳虚血発作は脳梗塞の前兆(48時間以内に脳梗塞を発症する可能性が高いと報告されています)ですから、直ちに脳神経外科 or 神経内科の専門医の診察を受けることが大切です。
以 上
「脳梗塞の初期症状とひとり暮らしで発症した場合の対処法!」でした。
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