二日目のカレーを美味しく安全に食べる方法!

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野菜カレー

目 次

食中毒を起こす主な原因
..1.
1 細菌・ウィルスはどこにいる?
..1.2 
食中毒を発症する菌の数
..1.3 
細菌の増え方
..1.4 
原因菌の殺菌方法

2 カレー二日目を安全に食べる方法
..2.1 
加熱で元気に「ウェルシュ菌」とは?
…..
1)ウェルシュ菌の潜伏場所
…..2)原因となる料理
…..3)菌の特徴
…..4)潜伏時間
…..5)症 状
..2.2ウェルシュ菌がカレー二日目で
…….増殖する理由とは?
..2.3
ウェルシュ菌の予防方法

二日目のカレーを
美味しく安全に食べるまとめ



二日目のカレーは、とっても美味しいね!と皆さんも感じられていると思います。

ひと晩寝かせたカレーは、口当たりがまろやかになり、作りたてのカレーとはひと味違いますよね。

肉や野菜、香辛料に含まれるアミノ酸・タンパク質・糖質などの旨み・甘み成分がルーに溶け出し旨みとコクが重層化します。

さらに、ジャガイモのでんぷんや玉ねぎの繊維質もカレールーに溶けだすことで極上のとろみも生じます。

ただ、ルーに含まれるスパイスを再加熱することでスパイス本来の香りが損なわれてしまうこともありますが、カレー二日目は、作りたてのカレーとは異なり角がとれ旨みとコクが増したカレーとなるのです。

皆さんも二日目のカレーが美味しいことが解っていますから、ついつい多めに作ってしまいますよね!

当日カレーを晩御飯で美味しく頂きます。

鍋を室内で保存し、翌日に火を通したにも関わらず食中毒になつてしまうことがあります。

夏のこの時期、2日目のカレーの食中毒を防ぐ方法について調べてみました。

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食中毒を起こす主な原因

食中毒の主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。

細菌もウイルスも人の目で確認することはできませんが、食中毒の原因となる
細菌は(6月~8月)に多く発生します。

代表的な細菌は「o157」「o111」「サルモネラ菌」「カンピロバクター」「ウエルシュ菌」、
ウイルスでは「ノロウイルス」など。

細菌は温度や湿度の条件が揃うと料理の中で増殖し、料理を食べることで食中毒を引き起こします。

細菌の多くは、室内温度20℃から活発に増殖をし始めて35~40℃で増殖がmaxになります。

対してウイルスは冬に流行し、食材を通じて体内に取り込まれ人の腸内で増殖して食中毒を引き起こします。

食中毒の発症過程の違いにより大きくは「感染型」と「毒素型」に分けられます。

細菌とウイルスの違い
どちらも人に感染症を引き起こす微生物ですが、
細菌は生物と言い切れますが、ウイルスは生物とは言い切れないところがあります

細 菌
・細胞がある

・栄養を摂取する
・自力で動く
・細胞分裂を繰り返し増殖

・赤痢

・溶連菌感染症
ウェルシュ菌やO157等
の腸管出血性大腸菌感染症

ウィルス
・細胞がない

・栄養を摂取しない
・自力で動かない
・単体では細胞分裂しない
・ウイルスは動植物内の正常細胞に入り込
み細胞機能を利用して自身のcpを増やす

・風 邪
・インフルエンザ
・水疱瘡(みずぼうそう)
・おたふくかぜ
・麻 疹(はしか)
・風 疹

感染型
食中毒の発症レベルまで増殖した菌を食事等から摂取し、腸内で感染することにより発症します。

毒素型
食品内で菌が増殖する際に毒素を作り出し、毒素を食品と一緒に摂取することにより発症します。

生体内毒素型
食事などを通じて摂取した菌が腸内で増殖する際、毒素を作り出し毒素が原因で食中毒が発症するタイプ
( 腸管出血性大腸菌・ウェルシュ菌 )

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・1
細菌・ウィルスはどこにいる?

健康な鶏、豚、牛などの腸内や、畑の土壌、カキなどの二枚貝に存在しています。

肉や魚、野菜などの食材には、多かれ少なかれ細菌やウイルスが付着していることが前提で食材を取り扱うことが大切です。

食材が新鮮かどうかは関係ありません。

食中毒原因菌汚染

 

・2
食中毒を発症する菌の数

少数の食中毒菌を食物から摂取しただけでは発症しません。
本人の年齢・体調や抵抗力などの違いなどもありますが、発症するにはある程度の菌量が必要となります。

新鮮な食材が手に入っても、食材に付着している細菌やウィルスの数量により食中毒が発症するのです。

症した人(1人)が取り込んだと推測される菌やウイルス数。
食中毒調査マニュアル東京都他

名 称 菌・ウイルス数
ノロウイルス 10~100
O157 O111 10~100
ボツリヌス菌 300
カンピロバクター 500
黄色ブドウ球菌 10万~100万
サルモネラ菌 100~10億
腸炎ビブリオ 1万~10億
ウェルシュ菌 100万~1,000 億

 

・3
細菌の増え方

細菌の多くは、10℃以下になると増殖スピードが遅延し、-15℃以下では増殖は停止します。

低温では細胞活動が休止しているだけですから、室温に戻すとただちに増殖しはじめます。

細菌は単細胞ですから1つの菌が分裂して2つになるパターンで増殖します。

料理の温度・水分・PHなどが菌にとって快適な環境であれば、短時間で爆発的に増殖します。

サルモネラやウェルシュ菌は高めの室温(35℃)で2~3時間放置すると、食中毒を発症する程の菌数に達します。

・4
原因菌の殺菌方法

食中毒の原因となる菌の多くは、100℃以上の加熱でほとんどの菌は死滅します。
食材で汚染されやすい部位は、表面です。

菌は「土壌中」「水中」「空気中」の至るところに存在していますから、食材の「流通過程」「加工過程」で食材の表面を汚染します。

肉などのブロックでは、肉の中まで菌が侵入している可能性は少なく、健康な大人なら、表面を十分焼いて食べれば問題ありません。

挽肉やハンバーグのたね、調味液に漬けられた肉などは、食材の中まで原因菌が侵入している可能性もあるため、食材の中心までしっかりと火を通す必要ですね。

食中毒予防のポイントは「汚染を広げない」「原因菌を増やさない」「加熱殺菌」の3つ。

  • 食材を冷蔵庫で保存する際には、他の食材と接触いない様にラップやポリ袋で包む
  • 生肉、鮮魚などを扱った「まな板」「包丁」「さい箸」「手指」を他の食材に触れさせない
  • 低温保存、室内放置は厳禁
  • 食材の中心部までしっかりと加熱する

カレー二日目を
安全に食べる方法

・1
加熱で元気に「ウェルシュ菌」とは?

厚生労働省「平成29年食中毒発生状況」によると、食中毒における原因菌別の患者数(全国)は、下記の様に公表されています。

第一位:ノロウイルス 8,496人
第二位:カンピロバクター 2,315人
第三位:ウェルシュ菌 1,220人

平成29年度の食中毒の患者数で堂々三位となっています。


1)ウェルシュ菌の潜伏場所

土や水の中のほか、人や動物の腸内など自然界に幅広く生息しており、牛、豚、鶏、魚が保菌していることが多い

2)原因となる料理

カレー、スープ、シチュー、チャーシユーなどの大なべ料理

3)菌の特徴

酸素の少ない環境で増殖しますので、とろみの付いた煮込み料理を寸胴鍋などで調理すると鍋底の酸素濃度が極端に減少するため、ウェルシュ菌増殖の温床になります。

また、寸胴鍋などで加熱を行うとウェルシュ菌は丸まって、芽胞(がほう)を作ります。

芽胞とは、避難シェルターの様なものです。

ウエルシュ菌の「芽胞」は耐熱性の性質を有しており、100℃で6時間の加熱にも死滅せずに生き残ります。

また、寸胴鍋の温度が下がると「芽胞」から菌に再び戻ります。

4)潜伏時間

原因となる食品を食べてから、6~18時間後に発症します。

5)症 状

下痢、腹痛をおこします
嘔吐や発熱はまれです。

 

・2
ウェルシュ菌がカレー二日目で
増殖する理由とは?

カレー寸胴鍋


ウェルシュ菌による細菌性食中毒による患者数は全国二位。

別名「給食菌」「カフェテリア菌」とも呼ばれています。

寸胴鍋などで大量に調理される料理で、たびたび食中毒を起こす原因菌だからです。

一般的なカレーの調理方法は下記の様です。

  • 豚肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギを一口大にカット
  • 厚手の鍋にサラダ油を引き、豚肉、ニンジン、ジャガイモ、タマネギを良く炒めます
  • 適量の水を鍋に加え、お玉であくを取り弱火から中火で材料が柔らかく煮えるまで20分ほど煮込みます
  • レンジの火を止め、カレールウをお玉に割り入れて溶かした後に再び弱火でとろみがつくまで煮込んで完成

    管理人はコクを出すため、ウスターソース、隠し味に醤油も垂らします
  • カレーの完成です
  • 夕飯に頂いて、残ったカレーを室温でひと晩寝かせます
  • 翌日のお昼に鍋を再加熱
  • 翌日のお昼にカレーを食べる

上記の過程の内、どこに問題があるのか?

豚肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギを食材としていますから、ウェルシュ菌を含む食中毒を引き起こす菌が全ての食材に付着していたとしてもおかしくはありません。

ウェルシュ菌の繁殖力はとっても弱いため、夏場のキッチンに近い環境を作り、大腸菌、黄色ブドウ球菌を含め3時間培養競争をした結果では、大腸菌1500倍、黄色ブドウ球菌100倍、ウェルシュ菌は増殖しなかったとの実験結果が出ています(ためしてガッテンより抜粋)。


こんなに繁殖力の弱いウェルシュ菌がなぜカレー鍋の中で大増殖するのか?

カレーの調理過程で鍋の中ではこんなことが起こっていました。

食材には、大腸菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、サルモネラ菌が付着していたとします。

食材を炒めたあと、鍋に水を加え煮込みます。

加熱され鍋の温度が75℃以上に上昇すると、食中毒原因菌はウェルシュ菌を除いて全て加熱殺菌されてしまいます。

でも、ウェルシュ菌は身を丸くして「芽胞(がほう)」に閉じこもっています。

この時のウェルシュ菌は、シェルターに籠った状態で繁殖力はありません。

カレーは完成し、鍋の火は消され、ひと晩寝かされます。

カレー鍋の温度が55℃を下回ってきますと、ウェルシュ菌が復活し始めます。

ウェルシュ菌が活発に増殖するのは、20~55℃の温度帯です。

周りを見回すと、他の食中毒原因菌は加熱処理で殺菌されていますからウェルシュ菌の敵は居ませんし、鍋底近くは加熱によって酸素が追い出されていますから、ウェルシュ菌にとっては地上の楽園です。

このため火を止めてから7~8時間で1gあたり10万個にもなってしまうケースがあります。

翌日のお昼ご飯前に再度加熱をしますが、鍋を火にかけると再び芽胞になります。

ウェルシュ菌の芽胞をカレーと一緒に体内に取り込むと、腸内でさらに増殖して毒素(エンテロトキシン)を作り出して食中毒 を引き起こします。

潜伏期間の平均は10時間で、発症すると腹痛や下痢等の症状を引き起こします。
ただ、発熱、おう吐は稀な様です。

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・3
ウェルシュ菌の予防方法

ポイントは、菌を増やさないことですね。

二日目カレーやシチューを楽しむ場合、ウェルシュ菌を増やさないために鍋を早々に20℃以下に冷やす必要があります。

昔の方がスイカを水で冷やした要領で、ボールに水を貼って鍋(水が入らない様に蓋をする)を入れ、水道水をちょろちょろと流します。

鍋が冷えた後は、しゃもじでカレーをかき混ぜ空気を含ませてから冷蔵庫で保管します。

10℃以下で保存することで菌の増殖を抑えることが出来ます!
カレーを小分けにして冷凍保存もOK。

二日目のカレーを
美味しく安全に食べるまとめ

菌を増やさないことに尽きます。

お鍋に残ったカレーは、昔の方がスイカを水で冷やした要領で速やかに鍋の温度を20℃以下に冷やしてから、しゃもじなどでかき混ぜて冷蔵庫で保管する事ですね!

ウェルシュ菌の増殖を抑えることが出来ます。

料理全般に言えることですが、食中毒を引き起こす細菌の多くは、室内温度20℃から活発化して35~40℃で増殖活動がmaxになりますから、残ったマーボー豆腐、チャーハンなどなど冷めたら直ぐにラップなどで包んで冷蔵庫にしまいましょう。

また、冷凍したカレーの解凍も気を付けてくださいね。

常温で解凍しますと、解凍するまでの間に菌が繁殖する可能性があります。

多少時間がかかっても冷蔵庫の野菜室で解凍するか、時間が無い時は電子レンジで加熱して一気に解凍するように心がけ得ます。

肉や鳥などの生食材も同様ですね!

最後に、腐敗と食中毒の原因菌は必ずしも一致しません。

見た目、新鮮に見える魚も食中毒菌に汚染されている場合もありますから、においを嗅いだけで判断するのはやめましょう!

以 上
「二日目のカレーを美味しく安全に食べる方法!」でした!

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